Perl では、スコープが定義される実行文の列をブロックと呼んで
います。
ときにはブロックは、そのブロックを含むファイルの単
位で区切られ (この場合 require で読み込まれるか、プログラム
全体ということになります)、また文字列として区切られる場合も
あります (eval される場合です)。
しかし、一般にはブロックは中括弧 (`{}') で区切られるのが普通
です。
この構文上の構造を BLOCK と呼ぶことにします。
以下の複合実行文を、流れの制御のために使うことができます:
if (EXPR) BLOCK
if (EXPR) BLOCK else BLOCK
if (EXPR) BLOCK elsif (EXPR) BLOCK ... else BLOCK
LABEL while (EXPR) BLOCK
LABEL while (EXPR) BLOCK continue BLOCK
LABEL for (EXPR; EXPR; EXPR) BLOCK
LABEL foreach VAR (ARRAY) BLOCK
LABEL BLOCK continue BLOCK
C や Pascal と違って、文ではなく、BLOCK を使って定義されてい
ることに注意してください。
これは中括弧が必須ということで、
中ぶらりんの実行文が許されないということです。
中括弧を使わ
ないで条件を書きたい場合には、方法がいくつかあります:
if (!open(FOO)) { die "Can't open $FOO: $!"; }
die "Can't open $FOO: $!" unless open(FOO);
open(FOO) or die "Can't open $FOO: $!"; # FOO or bust!
open(FOO) ? 'hi mom' : die "Can't open $FOO: $!";
# a bit exotic, that last one
はすべて同じことをします。
if 文は見た通りです。
BLOCK は必ず中括弧で括られますから、
if と else の対応が曖昧になることはありません。
if の代わり
に unless を使えば、テストの意味が逆になります。
while 文は、式が真である間 (評価結果が、空文字列、0、"0" の
いずれかでない間) ブロックを実行します。
LABEL はあっても無
くてもよく、もし存在する時には、識別子にコロンを続けたもので
す。
LABEL は、next、last、redo というループ制御文が、ルー
プを識別できるようにするものです (以下を参照)。
continue
BLOCK があれば、C の for ループの 3 番目の部分のように、次に
条件が評価される直前に実行されます。
ですから、(C の
continue 文と同様に) たとえ next 文でループを進めるときにも、
ループ変数のインクリメントが行なうことができます。
while を until で置き換えると、テストの意味が逆になりますが、
繰り返しの前に、条件が評価されることは変わりません。
if 文または while 文において、"(EXPR)" を BLOCK で置き換える
ことができ、ブロックの最後に実行した文が真であれば、条件も真
となります。
(この機能は Perl 5 でも機能しますが、使わない
ようにしてください。
"if BLOCK" の代わりに "if (do BLOCK)"
とすればよいでしょう。)
C スタイルの for ループは、完全に対応する while ループと同じ
ように動作します:
for ($i = 1; $i < 10; $i++) {
...
}
は、
$i = 1;
while ($i < 10) {
...
} continue {
$i++;
}
と同じことです。
foreach ループは通常のリスト値で繰り返しを行ない、変数 VAR
にそのリストの値を順番に設定します。
その変数は、(前もって
my で宣言したのでなければ) 暗黙のうちにループ内にローカルと
なり、ループを抜けると以前の値に戻ります。
キーワードの
foreach は、実際にはキーワード for の同義語であり、読みやす
さのために foreach を、簡潔さのために for を使い分けることが
可能です。
VAR を省略すると、$_ に個々の値が順に設定されま
す。
もし、ARRAY が (リスト値を返す式ではなく) 本物の配列の
時には、ループの中で VAR を修正することによって、その時に対
応している配列の要素自身を修正することができます。
例:
for (@ary) { s/foo/bar/; }
foreach $elem (@elements) {
$elem *= 2;
}
for ((10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,'BOOM')) {
print $_, "\n"; sleep(1);
}
for (1..15) { print "Merry Christmas\n"; }
foreach $item (split(/:[\\\n:]*/, $ENV{'TERMCAP'})) {
print "Item: $item\n";
}
BLOCK 自身は (ラベルが付いていても、いなくても) 意味的には、
1 度だけ実行されるループと同じです。
つまり、ブロックを抜け
たり、再度実行したりするのに、ループ制御文が使えるということ
です。
continue BLOCK はあっても無くてもかまいません。
こ
の構成は、case 構文を組み立てるのに便利です。
SWITCH: {
if (/^abc/) { $abc = 1; last SWITCH; }
if (/^def/) { $def = 1; last SWITCH; }
if (/^xyz/) { $xyz = 1; last SWITCH; }
$nothing = 1;
}
Perl には、公に switch 文は存在しません。
同値なものが既に
いくつもあるからです。
上にあげたものの他に、
SWITCH: {
$abc = 1, last SWITCH if /^abc/;
$def = 1, last SWITCH if /^def/;
$xyz = 1, last SWITCH if /^xyz/;
$nothing = 1;
}
とも書けます。
(これは、ループ制御「演算子」を式の中で使え
ることに気が付けば、見た目ほど奇妙なものではありません。
普
通の C のコンマ演算子です。)
また、
SWITCH: {
/^abc/ && do { $abc = 1; last SWITCH; };
/^def/ && do { $def = 1; last SWITCH; };
/^xyz/ && do { $xyz = 1; last SWITCH; };
$nothing = 1;
}
とも書けますし、もう少し「正当な」switch 文のように整形する
と:
SWITCH: {
/^abc/ && do {
$abc = 1;
last SWITCH;
};
/^def/ && do {
$def = 1;
last SWITCH;
};
/^xyz/ && do {
$xyz = 1;
last SWITCH;
};
$nothing = 1;
}
となりますし、
SWITCH: {
/^abc/ and $abc = 1, last SWITCH;
/^def/ and $def = 1, last SWITCH;
/^xyz/ and $xyz = 1, last SWITCH;
$nothing = 1;
}
や、醜くも
if (/^abc/)
{ $abc = 1 }
elsif (/^def/)
{ $def = 1 }
elsif (/^xyz/)
{ $xyz = 1 }
else
{ $nothing = 1 }
としてもよいでしょう。