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XMLついて
データを扱うサイト、特にイントラネット用のサイトを設計している人は、XML (Extensible Markup Language)を大歓迎するでしょう。
これには2つの理由があります。
よりリッチなデータ エレメントのセットを作成し、これに応答することができます。
それゆえに、個人向けによりカスタマイズされた、ダイナミックなサイトとページを構築できるようになります。たとえば、サイトのユーザーは、検索エンジンに頼らなくても、複数のデータベースや複数のデータ タイプの情報にアクセスできます。

XMLの本質はメタデータです
サーバーにアクセスし直さなくても、スクリーン上のデータをユーザーが再構成できるようなスマートなページを欲しいと思ったことはありませんか? もっと大がかりなことを言えば、インテリジェントなエージェントが共通のXMLエレメントを使って、ユーザーの代わりにWebを自動的に検索し、処理の負担をサーバーからクライアントに移したり、複数のデータベースを調整し、情報を抽出するといったことも実現できるでしょう。こうした機能の多くは、今日でもHTMLと何らかの種類のカスタム プログラミング(たとえばJavaやVisual Basic(R))を組み合わせて実現できるでしょうが、XMLはこうした処理をすべて単独で行えるので、サイトの開発者のユーザーの両方が、時間を大いに節約し、トラブルを避けることができます。
XMLとは何か?
HTMLは、ご存じのようにHypertext Markup Languageの略です。"Markup"とは、ブラウザに対して、ページ上のデータのレイアウトの方法を記述するコマンドのセットです(ブラウザがコマンドを実際にどう解釈するかは、また別の問題です)。ここはイタリックにしろ、新しい表の行を開始しろ、ドキュメントの別のセクションにジャンプしろといった指示を行うわけです。 HTMLの守備範囲にない事柄の1つが、データの意味に関する情報、すなわちメタデータと呼ばれるものの提供です。メタデータがないと、検索エンジンやその他のデータ フィルタリング テクニックは、情報を抽出するためにキーワードや、さらには内容の検索といった原始的な手段に頼らざるを得ません。その場合でも、完全な勘違いをすることがあり得ます(たとえば、コンピュータ チップではなくポテト チップに関する情報を返すなど)。

XMLの本質はメタデータであり、特定のグループの人々は、自分たちが使用するデータの記述と編成に関して似たようなニーズを持っているというアイデアなのです。HTMLと同じく、XMLもタグと宣言のセットですが、ページ上の情報のフォーマッティングではなく、データそのものと、そのデータと他のデータとの関係に関する情報を提供することに焦点を当てています。

データ タイプの中には、かなり普遍的なものもあります(<First Name>、<Address>、<City>など)。また、産業や、さらには特定の企業に固有のものもあります(<price>、<manufacturer>、<componentID>)。たとえば、ヘルスケア業界には、保険請求会社にしか理解できないさまざまなデータ タイプと頭字語があります。XMLを使えば、これらのデータ タイプを簡単に認識させ、サイト デベロッパーはデータとそれを使用するユーザーの両方を念頭に置いて、最適化されたサイトを作成することができます。
使い方は?
「それは便利かもしれないが、私にとってはどういう意味があるのだ?」という声が聞こえてくるようです。近い将来、XMLはイントラネットのデータベース ドリブンのサイト開発に大きなマーケットを作り出すようになるでしょう。一般に、大企業では、いくつもの部門が同じデータベースを異なる方法で利用しています。経理部門は現四半期の支払いと受け取りの情報を必要とします。セールス部門は、コミッションの構造を理解するために、営業担当者ごとに情報を監視する必要があります。マーケティング部門は、将来のリリース戦略を策定するために、プロダクトや業種といったカテゴリごとにデータを編成したいと考えます。

XMLを使うと、照会されたデータのプレゼンテーションを、照会を行ったユーザーにとって最も便利な形でカスタマイズすることができます。経理部門は総勘定元帳の出力画面を見ることができ、セールス部門は過去1年の営業担当者ごとの結果を棒グラフに表示でき、マーケティング部門はセグメントごとの売上げを円グラフで表示できます。データがいったん送信されれば、サーバーへの再アクセスを行わなくても、データの再コンパイルを行うことができます。たとえば、セールス チームが営業担当者ではなく地域ごとの小計を見たいと思った場合でも、サーバーへの再アクセスは不要です。同じように重要なのが、複数の独立したデータベースに置かれている情報をも統合できるということです(これらのデータベースが同じようなデータ属性を使用しているという前提がありますが)。

企業内のイントラネット以外にも、XMLは企業間での情報共有を促進することになるでしょう。エレクトロニクス業界は他の業界とともに、EDI(電子的データ交換)と呼ばれるデータ転送標準を開発しました。これにより、購入オーダー、送り状、見積もり請求といったデータを電子的に交換することができます。すでに、独自規格のEDI製品のインターネット ベースのプロダクトへの移行を合理化するために、XMLとEDIの間のインターフェイスの開発が進められています。このインターフェイスの詳細については、http://www.geocities.com/WallStreet/Floor/5815/ediindex.htm を参照してください。


データ ビレッジ
XMLのアーキテクトたちの目標は、イントラネット開発の支援だけにはとどまりませんでした。彼らは、共通のデータ ニーズを持つ大きなグループ、すなわちデータ コミュニティのための、事実上のデータ記述標準を作り出すことを考えたのです。たとえば、医者は他のタイプの情報とは異なる形で相互に関連するユニークなデータを大量に扱っています。XMLを使えば、患者、他の医者、および保険審査官との情報共有を簡単に行えるような、標準的な医学テンプレート(X-RAY、INSURANCETYPE、INSULINLEVEL)を開発するという可能性が開けます。実際、病院を初めて訪れたときには、保険証を提示するのではなく、インターネット端末を通して新しいアカウントを作成し、テストのために必要なレコードに病院に直接アクセスさせるというようなことが可能になるはずです。このビジョンの詳細については、John Bosakの記事XML, Java, and the Future of the Web を参照してください。

XMLのアーキテクトたちは、データの特徴づけそのものを確立するのではなく、データの特徴づけの標準を確立することで、委員会主導型ではないコミュニティの有機的な発展を可能にしています。これはDocument Type Declaration (DTD)によって実現されます。DTDでは、自分がアクセスするデータ エレメントのすべての特徴を指定することができます。DTDは、あらゆる人に公開することも、1つの企業のプライベート サーバーの中だけにとどめておくこともできます。

たとえば、ソフトウェア会社やインターネット会社は、インターネット上でソフトウェアとアップデートを配布するためのDTDを提案しています。最近、MicrosoftとMarimbaは、XML(およびチャネル定義フォーマット)を使って、ソフトウェア インストレーション変数(たとえばオペレーティング システムやCPUタイプなど)を特徴づけ、自動的な「プッシュ」機能を実現するOpen Software Descriptionを発表しました。XMLの記述子はきわめて堅牢で、適用されるソフトウェア構成を識別するチャネルを自動的に選択し、ダウンロード サイトを発見し、必要なファイルを取得し、ハード ドライブに配信することができます。非常に便利な機能です。

さらに、DTDには相互運用性があります。1つのDTDを使って生成されたXMLドキュメントを、別の(適切な)DTDを使った別のデータ ビューに簡単に再フォーマットできるのです。


電池は入っていません
XMLはデータの単なるプレゼンテーションではなく、データの特徴を指定するためのものなので、使用するためにはスタイル シートを書かなくてはなりません。Internet Explorer 4.0(それとあの別のブラウザ)はDynamic HTML、カスケーディング スタイル シート、およびチャネル定義フォーマットのすべての標準をサポートしているので、XMLは今日からでも使い始めることができます。また、XMLの表記を評価し、他のパーサーがそのXMLを意図通りに使用できるかどうかをチェックするための新しいツールも続々と登場しています。XMLの進展状況について知りたい方は、Robin CoverのXMLホーム ページ を参照してください。

Microsoftは、昨年の発表以来、XMLの標準委員会に参加しており、将来の標準にすべてのインターネット プロダクトで対応することを約束しました。Netscapeは4月以来、この委員会に参加しています。

最後にもう1つ。XMLは、本稿の執筆時点で、W3Cのワーキング グループ プロポーザルの段階にあります。これは、W3Cによる認知に必要なハードルはほとんど越えたが、先にはまだ道が続いているということを意味します。オフィシャルなW3C XMLサイト で、XMLの最新のステータスをチェックしてください。

最近、太平洋側の北西部に引っ越したRobert Carterは、シアトルのレイン ミスインフォメーション キャンペーンに反対しています。SBNの執筆と編集の仕事をする前のRobertは、排気ガスの監視員として働いており、50歩先からでも熱気流を見つけ出すことができます。

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